第3回AIに心がないとしても…擬人化したがる人間側、リスクに備える欧州

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竹野内崇宏
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 人間顔負けの自然な会話を紡ぎ出すAI(人工知能)だが、現時点で、AI自身が意識や感情を持ったと考える研究者はほとんどいない。

 しかし、そうした段階でもAIを利用する人間の側が、感情などを見いだしてしまう。

 チャットボットの元祖は1966年に登場した「イライザ」というプログラムだ。

 当意即妙にアドリブで返答する現在のAIよりはるかに単純で、決められた回答など限られたやりとりしかできなかった。それでもコンピューターではなく、人間と対話しているように錯覚してしまうことが知られており、「イライザ効果」と呼ばれる。

 仮想のペットにも愛着を抱いてしまう傾向のことは、1990年代に爆発的に流行した日本製の電子ゲームにちなみ、海外で「たまごっち効果(Tamagotchi effect)」と呼ばれるほどだ。

「感情を操られる」恐れ

 「我々は(ロボット犬の)A…

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    鳥海不二夫
    (東京大学大学院教授=計算社会科学)
    2023年9月28日12時0分 投稿
    【視点】

    人間が人間(あるいは生物)以外と絆を持つ話は,ギリシャ神話のピグマリオンから始まり,現代では「2次元」のキャラクタを嫁と呼んだり,初音ミクと「結婚」した人がいたりと,様々なところで比較的普遍的にあるものと認識してよいように思われます. その

    …続きを読む
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    パトリック・ハーラン
    (お笑い芸人・タレント)
    2023年9月28日14時43分 投稿
    【視点】

    簡単にAI(Artificial Intelligence=人工知能)というがこの響きから動物が見せるような識別と判断能力ではなく、どうしても人間に近い理解と思考の力として捉えられてしまう。ただ、今のチャットボットに使われているLLM(大規

    …続きを読む

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