エマニュエル駐日大使、中国挑発しすぎ? 本国が自粛要請 米報道

ワシントン=望月洋嗣

 米国のエマニュエル駐日大使が、SNSで中国の習近平(シーチンピン)国家主席らを挑発するような投稿を繰り返していることについて、バイデン大統領の側近らが「米中関係改善に向けた動きを損なう」と、中止を求めたことが明らかになった。米NBCが20日、3人の当局者の話として報じた。

 エマニュエル氏は「X(旧ツイッター)」に積極的に投稿している。今月7日には、中国の外相や国防相がこの数カ月間に相次いで消息不明になったことについて、「習政権の閣僚陣は、今やアガサ・クリスティの小説『そして誰もいなくなった』の登場人物のよう」と皮肉を込めて投稿。また、14日には、国防相の不在について、シェークスピアのハムレットの一節を引用して「何かが怪しい」と訴えた。

 バイデン政権は11月に米中首脳会談を米国で実施することを目指し、米中間の緊張緩和を図っている。16、17両日には、サリバン大統領補佐官が地中海の島国マルタで、中国外交部門トップの王毅(ワンイー)・共産党政治局員兼外相らと12時間にわたって会談し、歩み寄りを探ったばかりだ。

エマニュエル氏報道官「報道は真実ではない」と反論

 NBCによると、中国政府はエマニュエル氏の投稿に激怒しており、米国家安全保障会議(NSC)の複数の当局者は、投稿が関係修復の努力を損なうとみて、中止を求めたという。バイデン政権の当局者の一人は「東アジア地域での米国の取り組みに反している」とエマニュエル氏を批判した。一方、同氏の報道官はNBCの報道を「まったく真実ではない」と否定している。(ワシントン=望月洋嗣)…

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