岩手県漁業協同組合連合会(県漁連)の大井誠治会長(88)と、全国一のサンマ船団を率いる鎌田水産(同県大船渡市)の鎌田和昭会長(77)。米寿と喜寿を過ぎた2人に共通するのは、若いころの苦労と前向きさだ。
宮古漁協の組合長でもある大井会長は、幼いころに母を失い、父が営む水産加工業は後妻の子が継ぐことになって、古い小船1隻をもらって独立させられた。そこで借金をして船を増やし、サケ、マス、マグロと懸命に漁をして稼いだ。
旧ソ連との漁業交渉がこじれ出すと、見切りをつけて船を手放し、水産物の貯蔵施設を経営。利益で土地を買い、アパートを建てるなどして資産を増やした。
宮古漁協の組合長になると、その経営手腕で赤字だった組合を立て直し、利益を出す組織に変えた。現在、沿岸部22漁協の多くは経営が厳しく、県漁連会長として合併を進めている。
一方、鎌田会長は、小学4年…