運気は自然に向いてくる 3・11「その時そして」海のドン(10)

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東野真和=この項おわり
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 岩手県漁業協同組合連合会(県漁連)の大井誠治会長(88)と、全国一のサンマ船団を率いる鎌田水産(同県大船渡市)の鎌田和昭会長(77)。米寿と喜寿を過ぎた2人に共通するのは、若いころの苦労と前向きさだ。

 宮古漁協の組合長でもある大井会長は、幼いころに母を失い、父が営む水産加工業は後妻の子が継ぐことになって、古い小船1隻をもらって独立させられた。そこで借金をして船を増やし、サケ、マス、マグロと懸命に漁をして稼いだ。

 旧ソ連との漁業交渉がこじれ出すと、見切りをつけて船を手放し、水産物の貯蔵施設を経営。利益で土地を買い、アパートを建てるなどして資産を増やした。

 宮古漁協の組合長になると、その経営手腕で赤字だった組合を立て直し、利益を出す組織に変えた。現在、沿岸部22漁協の多くは経営が厳しく、県漁連会長として合併を進めている。

 一方、鎌田会長は、小学4年…

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