首相最側近の木原氏が異例の兼務 党幹事長・政調会長ダブル代理に

自民岸田政権

 自民党総裁の岸田文雄首相は13日、首相官邸で官房副長官として重用してきた木原誠二衆院議員に、党の幹事長代理と政務調査会長代理を兼務させる方向で調整に入った。両ポストの兼任は異例。首相が最側近を通じて、党運営と党による政策立案の双方を直接、掌握する狙いも透ける。

 木原氏は2021年10月の政権発足と同時に副長官に就任。岸田派所属で「首相の知恵袋」「ブレーン」と称され、「新しい資本主義」や「異次元の少子化対策」など政権の看板政策の絵を描いてきた。

 今回の人事でも首相は続投を求めたが、私生活や家族の問題が毎週のように「週刊文春」で報じられ、木原氏は退任を選んだ。

 ただ、木原氏の能力を買う首相は、引き続き自らの近くに置きたいと考え、政府の公務である副長官より、比較的負担の軽い党務のポストへの就任を求めたとみられる。

 首相は「ポスト岸田」への意欲を隠さない茂木敏充幹事長への警戒心を高めている。木原氏が就く幹事長代理は本来なら「上司」の幹事長を支える立場だが、「首相が茂木氏のお目付け役として幹事長室に送り込むのだろう」(岸田派中堅)との声が出ている…

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    今野忍
    (朝日新聞政治部記者=政局、選挙)
    2023年9月13日21時30分 投稿
    【解説】

    木原誠二氏といえば、岸田首相の最側近です。 首相官邸で官房副長官として、岸田首相の「知恵袋」として子育てや経済、物価など政策全般に関わってきました。  ただ、毎週のように「週刊文春」に自身や家族の問題を報じられ、今回は退任するに至り

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    林尚行
    (朝日新聞GE補佐=政治、経済、政策)
    2023年9月14日13時37分 投稿
    【視点】

    政治記者としてはシビれる人事だと思います。ある意味、自民党が伝統的に大切にしてきた意思決定ラインを無視するような「超法規的」な人事、と言えるからです。 自民党執行部は首相を務める総裁を支えるため、「幹事長」、「総務会長」、「政調会長」

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