あなたの色、デジタル上で見つけませんか?57歳、三重苦からの挑戦

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鈴木裕

 コロナ禍に突入したころ、内藤弘子さん(57)は人生の「三重苦」の中にいた。

 東京で生まれ育ち、イタリアに渡ってアパレルの仕事も経験した。半導体エンジニアの夫の海外赴任に同行し、ドイツやアメリカで専業主婦としての生活を送っていた。

 それが、夫の病気と転職で、一変した。米国から急きょ、帰国したものの、日本で住む場所も見つからない。母が栃木県内に所有していた別荘に転がり込んだのは2016年、49歳のときだった。

 慣れない土地での生活の中、夫は単身赴任だったため、当時8歳だった娘のワンオペ育児に追われた。

 体調に異変を感じていたある日、磁気共鳴断層撮影(MRI)検査で脳腫瘍(しゅよう)が発覚した。手術を受けて生命の危険は脱した。だが一時は車いすに頼る生活が続いた。52歳のときのことだ。

 体調が戻り始めたころ、「専業主婦のままでいいのだろうか」という思いが募るようになった。

「自分がパイオニアになろう」 54歳の時に決意

 もともと、妊娠するまではパーソナルカラー診断の講師として働いていた。

 大手不動産会社や有名ホテル、化粧品会社の新商品プロモーションの講演で忙しい毎日を送っていたこともある。

 一人ひとりに似合う色を見つけ、その人の人生を元気に豊かにしていく仕事は、自分にとって「天職」だった。

 そんな思いで14年ぶりに仕…

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この記事を書いた人
鈴木裕
四日市支局長
専門・関心分野
地方行政、教育、地方経済