スズムシ、マツムシ、トンボにバッタ……。虫探しのフィールドは、野山ばかりではありません。蔵や古文書、美術館などなど。親子でわいわい楽しむもよし、一人でじっくり楽しむもよし。動く虫が苦手な人でも大丈夫。一風変わった虫探しをしてみませんか?

 美術館で虫探しの楽しみを提案しているのは、東京・六本木にあるサントリー美術館だ。18日まで開催中の「虫めづる日本の人々」展(同館、朝日新聞社主催)で、江戸時代を中心に、「虫」をテーマにした工芸品や絵巻などを展示している。

 たとえば「鈴虫蒔絵(まきえ)銚子」(サントリー美術館所蔵)は秋のスズムシが草むらのあちこちに描かれている。一匹一匹がリアルで、どこに何匹いるか、探すのも楽しい。

 ほかにも、すずり箱や茶箱、かんざし、くしなど、生活や儀式の道具にも、鳴く虫やチョウ、トンボ、ホタルなどが蒔絵や螺鈿(らでん)などで描かれている。

 日本では古くから、和歌や源氏物語などで登場人物の心情を投影させた虫が多く描かれてきた。中国の草虫図の影響も受けつつ発展し、中世の権力者に好まれた。さらに江戸時代には、虫をめで、虫を描く文化は宮廷から町人などの市井の人々に広がり、大衆化したという。

虫は粋なキャラクター 声も姿も愛した江戸の人々

 伊藤若冲の「菜蟲譜(さいちゅうふ)」(佐野市立吉澤記念美術館蔵)には、カブトムシをはじめ、何種類もの虫が生き生きと暮らす。喜多川歌麿は「画本虫撰(えほんむしえらみ)」(千葉市美術館蔵)で狂歌を虫と組み合わせたほか、蛍籠(ほたるかご)に淡い恋心を重ねた美人図も描いた。

 歌川国貞の「両國夕すずみの光…

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