還暦のササニシキ 復活の日をめざして かつての「横綱」はいま

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荒海謙一

 かつて、コシヒカリに次ぐ作付面積を誇った銘柄米があった。ササニシキ。粘りが強く「もっちり」といわれるコシヒカリと対照的に、「さっぱり」して和食に合うとされる。今年は誕生から60周年。還暦を迎えたササニシキは、30年前のある出来事をきっかけに苦難の道を歩んだ。「ササニシキの味を守りたい」。復活をめざす人びとがいる。

 ササニシキは宮城県出身。同県古川農業試験場(大崎市)で1963年に生まれた。たくさん取れ、食味がよいとあって東北などで普及。85年に作付面積がコシヒカリに次いで全国2位となり、「西のコシヒカリ、東のササニシキ」とも言われた。

農家離れ、一気に進む

 しかし、93年の大冷害で状…

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