子どもの虐待死74人、0歳が最多26人 21年度、こども家庭庁

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川野由起
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 2022年度に全国の児童相談所が子どもの虐待について受けた相談は、21万9170件(速報値)で過去最多だった。32年連続で増加し、前年度より5・5%(1万1510件)増えた。こども家庭庁が7日、公表した。

 虐待の内容は、「心理的虐待」が最多で59・1%(12万9484件)、次いで「身体的虐待」が23・6%(5万1679件)、「ネグレクト育児放棄)」が16・2%(3万5556件)、「性的虐待」が1・1%(2451件)だった。

 相談経路は、「警察など」が51・5%で最多。次いで「近隣・知人」が11・0%、「家族・親戚」が8・4%、「学校」が6・8%だった。

 相談対応件数の増加の背景には、警察などからの通告が増えていることが挙げられる。相談対応件数全体で前年度から増えた1万1510件のうち、8割超の9861件が警察などからだった。

 21年度に虐待を受けて死亡した子どもは74人で、前年度から3人減った。0歳が26人で最も多かった。国は虐待死に至った背景の違いから、心中や子どもだけが亡くなった心中未遂による死亡と、心中以外の死亡を分けて分析している。

 74人の子どものうち、50人が心中以外で亡くなった。0歳が約半数で最多の24人。このうち生後1カ月未満が最多の6人で、うち3人は生後24時間未満で亡くなった。妊娠期・周産期には「予期しない妊娠、計画していない妊娠」「妊婦健康診査未受診」などの問題が多く、それぞれ3割前後(複数回答)を占めた。主な加害者は実母が4割で最多の20人だった。

 10代の実母が同居する両親やパートナーに妊娠を伝えたり、適切な支援を求めたりできずに、ひとりで出産し遺棄に至った事例もあった。

 心中で亡くなった子ども24…

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