「食べるだけでエコ」 炭を使った農作物 沸騰する地球を救うのか

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編集委員・石井徹
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畑に炭を混ぜる――。気候変動対策にも、農作物の生育にも良いという、そんな栽培方法がいま注目されています。

現場へ! 気候変動と農業

 京都府亀岡市のナスやトマト、ネギ、北海道下川町のホワイトアスパラ、秋田県横手市のリンゴジュース……。京阪百貨店すみのどう店(大阪府大東市)の野菜売り場に「クルベジ」のコーナーができたのは、昨年12月のことだ。

 POP広告には「食べるだけでエコ!」の文字。クルベジとは、クール(冷やす)とベジタブル(野菜)を合わせた農産物ブランド名だ。バイオ炭(たん)をすきこんだ畑で栽培された野菜がそろう。

 バイオ炭は、酸素がない状態でバイオマスを加熱して作った炭化物で、木炭やもみ殻炭、家畜の糞尿(ふんにょう)や製紙汚泥を由来とする炭などがある。炭は炭素の塊だ。バイオ炭の炭素含有率や100年後の炭素残存率はそれぞれ異なるが、例えば大気中の二酸化炭素(CO2)を吸収・固定した植物から作られた炭には、20~50%の炭素が残る。それを燃やせば温室効果ガスのCO2を放出するが、田畑を耕す際にすきこめば、炭素を土壌に閉じ込め、長く置いておくことができる。

 さらに、木炭は基本構造とし…

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