潮目変えた「エッフェル塔」前写真 達増氏、自民批判を追い風に5選

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小泉浩樹
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 岩手県知事選が3日投票され、無所属現職の達増拓也氏(59)が、無所属新顔で前県議の千葉絢子氏(45)を破り、5選を確実にした。達増氏は、立憲民主、共産、国民民主、社民の野党4党などから支援を受け、千葉氏は自民、公明の各県組織から支持を受けた。事実上の与野党対決を制した背景は――。

 小沢一郎衆院議員(立憲、比例東北)が自民党を離れ、1995年に増田寛也氏を知事選に擁立して以降、非自民系の知事が続く岩手。自民、公明の各県組織が支持する千葉氏が当選すれば、県内の勢力図が一変するため、全国的な注目が集まった。

 2021年衆院選では小沢氏が岩手3区で敗北。22年参院選の岩手選挙区では30年ぶりに自民が議席を奪った。野党系が強い岩手の「最後の牙城(がじょう)」である達増氏が敗れれば、「小沢王国の崩壊」だと指摘された。

 鉄壁の結束力を誇った小沢氏の後援会は高齢化などで衰退が進む。一方の千葉氏は元民放アナウンサーとしての知名度をいかし、立候補表明をした昨年12月から県内を精力的に回った。そのころ、達増氏陣営の関係者は「厳しい選挙になる」と口をそろえた。

写真に加え、さらに追い打ちも

 潮目を変えたのは、7月に自…

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この記事を書いた人
小泉浩樹
盛岡総局|県庁担当
専門・関心分野
社会保障、消費者問題、地方自治
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    星野典久
    (朝日新聞政治部次長)
    2023年9月3日21時23分 投稿
    【解説】

    立憲民主党のベテラン、小沢一郎氏の地元で、その結果が注目された岩手県知事選は、小沢氏の最側近である現職・達増氏の勝利で終わりました。与野党一騎打ちの構図で、当初は激戦が予想されていましたが、最近の岸田政権の支持率低迷が影響し、終わってみれば

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    藤田直央
    (朝日新聞編集委員=政治、外交、憲法)
    2023年9月3日21時25分 投稿
    【視点】

    この選挙にも影響していたんですか…この記事にも載っている、あのエッフェル塔前でのポーズ写真を見るたび、イラッとする人がなぜ今も多いのかとつらつら考えます。自民党では約10年前の政権復帰以来、国民の信頼を得ることがとりわけ大切な国会議員という

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