岩手県知事選で達増拓也氏5選 野党4党が支援、与野党対決を制す

小泉浩樹 杉村和将
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 岩手県知事選が3日投票され、無所属現職の達増拓也氏(59)が、無所属新顔で前県議の千葉絢子氏(45)を破り、5選を確実にした。達増氏は、立憲民主、共産、国民民主、社民の野党4党などから支援を受け、千葉氏は自民、公明の各県組織から支持を受ける事実上の与野党対決だった。

 達増氏は選挙中、「次の4年間で、岩手が持続的に発展していく道筋を可能にできるかどうか、運命の分かれ道が今回の選挙だ」と訴えていた。

 選挙中、県民党的な支持の広がりを目指した。告示前には、前兵庫県明石市長の泉房穂氏をゲストに呼び、トークイベントを開催。選挙中も応援を受けるなど、無党派層への浸透を図った。

 政党への推薦要請はしなかったものの、立憲の岡田克也幹事長、共産の小池晃書記局長、れいわ新選組山本太郎代表が応援に入るなど、野党政党の支援も受けた。達増氏と関係が深い立憲の小沢一郎衆院議員は、達増氏と同じ場でマイクを持つことはなかったものの、自身の選挙区を中心に支持を訴えた。

 千葉氏は、自民、公明の各県組織の支持を受けて、組織戦を展開した。県北部、沿岸部では鈴木俊一財務相、県南部では自民党の藤原崇県連会長が連日、応援に入った。

 とりわけ強調したのが国とのパイプだ。千葉氏は選挙中、「足りないところは補助してもらうよう、国にしっかりとお願いしにいく姿勢がこれからのトップリーダーに求められる」と主張した。

 「全国初の40代の女性候補」をアピールし、4期16年続いた達増県政の刷新を掲げたにもかかわらず、女性や無党派層の取り込みが一歩及ばなかった。小泉浩樹、杉村和将)

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