ことでん新社長に植田氏 遮断機トラブル多発、安全対策推進室設置へ

増田洋一
[PR]

 【香川】高松琴平電気鉄道(ことでん)は30日、踏切の遮断機が下りないトラブルが相次いだことを受け、真鍋康正社長(46)が同日付で辞任し、後任に植田俊也専務(57)が昇格する人事を取締役会で決めたと発表した。真鍋氏は代表取締役として経営陣に残り、ことでんグループの経営管理を担う。

 植田氏は「『ことでんの電車は安全で安心だ』と思ってもらえるよう、私が先頭に立ち、現状を打破し、山積する課題を解決に導きたい」とのコメントを出した。また「踏切インシデントの再発防止に向け、安全対策のスピードアップや見直しと、抜本的な対策として新たな安全システムの導入に向けた準備も進めていく」との方針を示した。

 植田氏は大学卒業後、1988年にことでんに入り、車掌や運転士を務めるなど鉄道事業に長く携わった。昨年6月から代表取締役専務・鉄道事業本部長の職にあった。

 同社は社長交代について、「安全対策のスピードアップと再発防止対策の強化のため、組織の見直しが急務であると考えた。長年鉄道事業に従事し、安全対策の知識と経験の豊富な人材に交代した」と説明した。

 また、遮断機や警報機が作動しないインシデント(重大な事故に発展する可能性を伴う事例)の多発を受け、社長直轄の「安全対策推進室」を9月1日付で置くことも明らかにした。工務部から独立した組織で、安全対策の立案に専従。技術の経験や専門知識が豊かなメンバーを部長以下、3、4人配置する。(増田洋一)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません