開始時刻5分過ぎ…突然中止になった打ち上げ花火 晩秋に再度実施へ

抜井規泰

 埼玉県朝霞市で今月5日に予定されていた打ち上げ花火が、花火業者のトラブルで開始時刻を過ぎてから突然中止となった。この問題を受け、市は28日、改めて11月4日に実施すると発表した。

 中止となったのは、今月5日の「彩夏祭」で4年ぶりに行うはずだった打ち上げ花火。祭りが今年で40回目を迎えることから、朝霞市では規模を拡大して1万発を予定していた。

 しかし、開始時刻を5分過ぎた午後7時20分に中止を発表。会場は混乱し、市にはこれまで計412件の苦情や問い合わせなどの電話が寄せられた。機械トラブルがあったのに、業者から直前まで「打ち上げ可能」と連絡があったことが中止の原因という。

 市によると、花火業者のフォークリフトが2台とも故障した。手作業での積み込みとなった上、業者は同日に実施された千葉県松戸市の花火大会の準備を優先。午前5時に秩父市内を出発する予定が、12時間近く遅れた。朝霞市では夕方に2度、業者側に確認したところ、いずれも予定通り実施できるとの回答があった。しかし、打ち上げ開始時刻の35分前に、不可能との申し出があったという。

 祭りの実行委員会では急きょ翌6日への延期を検討したが、必要な警備員が確保できないことがわかり、中止を決定。数万人の来場者に場内放送で知らせたのは、打ち上げ時刻を過ぎた午後7時20分だった。

 業者は謝罪するとともに、無償での打ち上げを市側に打診。同市では11月3、4日に行う街づくりイベントに合わせ、花火大会を実施する。会場、規模とも彩夏祭の時と同じで、キャンプ朝霞跡地から1万発を打ち上げる。

 気象庁のホームページによると、所沢市の観測地点での過去30年間の平均最低気温は9・4度。コートが欲しくなる晩秋の花火大会となる。(抜井規泰)…

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