マイナ保険証77万人使えず…ひもづけ未了なぜ? 本人気づかぬ事情

有料記事

村井隼人
[PR]

 マイナンバーカードの「マイナ保険証」で、また新たな問題が浮上した。マイナンバーと医療保険情報がひもづけされず、マイナ保険証として使えない状態になっている人が約77万人に上ることが厚生労働省の調査でわかった。

 岸田文雄首相は24日、11月末までをめどにひもづけ作業を完了するように厚労省に指示。「カードに対する信頼回復のためには国民目線に立って、個々の課題に迅速に対処していく」と述べ、使えない状態になっていたことを急ぎ本人に知らせることも指示した。

 なぜこうした事態が生まれたのか。

 マイナ保険証の利用を開始するには、二つの手順が要る。

 一つは健康保険組合などの保険者が、保有する加入者のデータと、それぞれのマイナンバーをひもづける作業。もう一つは、カードを持つ本人が専用サイト「マイナポータル」やコンビニATM、医療機関に設置されたカードリーダーなどで、マイナ保険証の利用登録の申し込みをすることだ。

 この両方がそろって、初めてマイナ保険証が利用可能となるが、今回明らかになった約77万人は、前者の作業が済んでいなかった。

管理を嫌がる事業主も

 作業が滞っていた原因は、加…

この記事は有料記事です。残り907文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

マイナンバー問題

マイナンバー問題

マイナンバーとひもづける公金受取口座に「家族口座」が登録されるケースが多発しています。問題を多角的にお伝えします。[もっと見る]