対中抑止で「同志国」の軍支援 来年度は6カ国候補、予算倍増めざす

有料記事岸田政権

高橋杏璃
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 外務省は「同志国」の軍に防衛装備品などを無償で提供する「政府安全保障能力強化支援」(OSA)について、来年度はベトナムインドネシアなど6カ国を対象とする方向で調整している。2024年度当初予算案の概算要求に21億円を計上するほか、金額を明示しない「事項要求」分も合わせ50億円規模とし、今年度からの倍増を目指す。軍事活動を活発化させる中国への抑止力を強化する狙いがある。

 これまでの途上国援助(ODA)は経済社会開発が目的で、他国軍への支援は災害救援などに限られている。このため、政府は今年度、外交目的などを共有する同志国の安全保障能力や抑止力の向上を後押しする新たな枠組みとしてOSAを導入した。

 OSAの実施方針は「国際紛争との直接の関連が想定しがたい分野」に限定し、領海や領空などの警戒監視、テロ対策、海賊対策などを支援すると定める。衛星通信システムやレーダー、巡視艇の供与、軍民共用の港湾の整備などを想定する。7月には事業推進のため、外務省に約10人体制で「安全保障協力室」を立ち上げた。

 今年度の対象候補はフィリピ…

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