日本一の主将は「人間力」なんだ 慶応・大村昊澄が心を決めた出会い

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原晟也
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 (23日、第105回全国高校野球選手権記念大会決勝 神奈川・慶応8―2宮城・仙台育英)

 神奈川大会直前の6月下旬。練習前のグラウンドで、一人、汗をかきながら、草むしりをする人影があった。

 近づいてあいさつすると、笑顔で返事を返してくれた。主将の大村昊澄(そらと)(3年)だった。

 大会直前は、苦しい日々だった。テスト期間で練習時間は限られ、体調不良者が続出した。大村自身も足首を痛めた。テーピングを巻いて、足を少し引きずりながら歩いていた。

 そんな中だからこそ、見せたい姿があった。

 「日本一の主将」になる。大村は心に決めている。

 新チーム結成後、部員の投票で主将に選ばれた。身長163センチの小柄な二塁手。スタメンで出場していたわけではない。監督からは「ベンチで支えるキャプテンになる」とも言われた。

 そんな自分がどんな主将を目指すべきか。

 明確な目標があった。

目に焼き付けたホームラン

 小学6年のとき、夏の甲子園を観戦した。身長168センチ、大阪桐蔭主将の福井章吾さんが放った本塁打に目を奪われた。「小さくても打てるんだ」。小さな体に希望を与えてくれた。

 高校1年の6月、先輩の紹介…

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