千葉県市川市が三番瀬の干潟整備計画を発表

本田大次郎
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 千葉県市川市は22日、東京湾最奥の干潟と浅瀬「三番瀬」にあり、干潮時も水没している同市塩浜2丁目の海岸に干潟を整備する計画を発表した。市は「海に直接触れることができる場をつくり、市民の環境意識を醸成したい」としている。

 市の計画では、塩浜三番瀬公園前の海岸に幅100メートル、奥行き50メートル、0・5ヘクタールの干潟を整備する。干潮時に干潟が出現するように砂を入れ、砂の流出防止のために石を入れたかごで干潟部分を囲む。

 市は今秋から、周辺海域の地形や海生生物などのモニタリング調査に取り組む方針で、9月開会の市議会に2400万円の補正予算案を提出する。調査は2024年度も実施し、問題がなければ25年度から砂の投入を始める。砂は市川漁港への航路の浚渫(しゅんせつ)工事ですくい取ったものを使い、約1万立方メートルを見込む。

 三番瀬は干潟整備の予定海域を含む、船橋市浦安市の沖に広がる約1800ヘクタールの海域。戦後、急速に埋め立てが進み、干潟が失われた。06年度には県が三番瀬再生計画を立案。市川市は干潟整備を求めてきたが、実現されなかった。

 田中甲市長は「海は市川の財産だが、直接触れることができる場所がない。干潟整備で、生物の多様性を守ることもできる」と意欲をみせた。整備後は拡張も考えたいとしている。

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