人・ひと サイト運営 性的少数者の生活向上

菅尾保
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トランスジェンダー事業家 遠藤せなさん(29)

 性別にとらわれない「ジェンダーニュートラル」な考えを世界に広げたいと様々な事業で活躍。2021年には「LGBTQ+」向けの商品やサービスを紹介するポータルサイト「CHOICE.」を立ち上げた。

 「性的少数者の生活には様々な制約がある。少しでも生活レベルを上げる役に立てれば」。靴一つとっても、スーツに合う革靴は25~26センチ以上がほとんどで、性自認が男性で女性の体を持つ人にとってサイズが合わない。背広にしても女性的ラインを見せず、きれいに着られるものがなかなかないという。

 サイトでは「アパレル」や「仕事」「飲食」「メンタルヘルス」など18カテゴリーを用意し、商品やサービスを紹介。「都会でなくても、いつでもどこでもオンラインで様々な性に対応できる」場を目指す。

 沼津市出身。自身、性自認は男性でありながら女性の体で生まれた。「物心ついた時には女の子を好きになっていた」。20歳のころ、つきあっていたパートナーとの将来を考え、自分の性について調べ、トランスジェンダーであることを認識し、カミングアウト。自分の周囲は受け入れてくれたが、パートナーのまわりから別れるよう言われた。「あの時は本当につらかった」。振り返れば、小学時代は「問題児」で、その後も父親との軋轢(あつれき)などを乗り越え、「レアな個性」と前向きに捉えられるようになった。

 講演などにも積極的に取り組み、10日には富士宮市養護教諭向けセミナーも開く。「国籍や人種、性差など関係なく、個人が個人として平等で尊重されることが大事なのだと思う」。そんな社会になるように活動を続ける。(菅尾保)

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