バルミューダが小型の風力発電機を開発へ 扇風機の羽根をヒントに

田中奏子
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 家電メーカーのバルミューダが風力発電機の開発に乗り出す。今年秋から屋外での実証実験を開始し、最終的には家庭で使えるような小型の製品を目指す。2010年から発売している扇風機の羽根の技術を応用しているという。

 開発を想定しているのは、自宅の庭や屋上に置けるようなサイズの小型発電機。太陽光発電パネルも合わせることで安定した発電量を目指すという。発売時期は現時点では未定だ。

 同社は10年、扇風機「ザ・グリーンファン」を発売した。羽根を内側に5枚、外側に9枚つけた二重構造が特徴的で、「自然に近い優しい風」として話題となった。

 風力発電機にはこの二重構造を応用した。数年前に研究に着手。広く風を受け止めることで、小型でも高い発電効率を実現できる可能性があるという。屋内の研究室では、直径1メートル以下の羽根をつけた試作機で、静かな状態で発電できたとしている。

 同社はトースターなどの調理家電で知られるが、最初に発売した家電は扇風機だった。寺尾玄社長は以前から環境問題に関心があったといい、発売当初から風力発電機への応用を構想していたという。8日の決算会見で「エネルギーを使うだけでなく、つくる段階まで貢献できるなら、こんなにすばらしいことはない」と語った。

 同社は新事業の開拓を模索しており、21年には携帯端末事業に参入。「バルミューダフォン」を発売したが、今年5月、2年足らずでの撤退を発表した。(田中奏子)

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