ハチの巣、六角形とは限らない 高校教諭から転身の研究者がなぞ解き

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桜井林太郎
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 「ハニカム構造」と呼ばれるように、幼虫を育てる部屋が六角形で規則正しく並んでいるように見えるハチの巣。だが、体の大きい女王バチ・オスバチ用と小さい働きバチ用を一緒につくろうとすると、部屋の大きさがちがうので、どうしてもずれが生じてしまう。そのずれを、部屋を「建築」する働きバチはどうやって解消しているのか、神戸大学など日本と米国、ドイツオーストラリア、タイの国際研究チームがなぞ解きに挑んだ。

 平面を敷き詰めることができる同じ大きさの正多角形には、正三角形と正方形もあるが、正六角形は同じ長さの外周で面積が最大となる。ハチが六角形の部屋をつくるのは、蜜蠟(みつろう)や木材などの材料を効率的に使え、構造的にも安定するという利点があるためだ。だが、生殖を担う女王バチとオスバチは体が大きいため、働きバチより大きな部屋をつくる必要があり、共存させるとずれが生じてしまう。

 研究チームは、ミツバチとクロスズメバチの仲間計10種で、部屋が共存している巣の写真115枚を集め、計2万2745個の部屋の形や大きさを調べた。

 その結果、大きい部屋と小さい部屋の大きさの比率は種ごとに決まっていて、最大の種では2・7倍だった。部屋の大きさの違いで生じてしまうずれを解消するため、小さな部屋から大きな部屋に移行する部分では、ところどころに五角形と七角形のペアをつくっていた。

 まず周囲の六角形より少し小…

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