運転士「目の前に柱見え大きな衝撃」 東海道線事故、時速約80キロ

伊藤良渓
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 JR東海道線の藤沢―大船間で5日午後9時25分ごろ、車両が電柱と接触し、乗客と乗員の計4人が軽傷を負った。JR東日本によると、東海道線は6日午前8時まで東京―熱海駅間の上下線で運転を見合わせ、約15万人に影響した。

 同社によると、事故現場は神奈川県鎌倉市内で、小田原発横浜行きの臨時列車(15両編成)の先頭車両が、架線を支える電柱に衝突した。衝突時の電車の速度は時速約80キロとみられるという。

 電柱は1980年に設置されたもので、今月2日に実施した点検では特に異常はなかった。運転士は「目の前に柱が見え、その後大きな衝撃を受けた」と話しているといい、同社は電柱が傾いていたとみている。

 県警大船署は、線路上に垂れ下がっていた架線が先頭車両に引っかかり、架線に引っ張られた電柱が折れて先頭車両にぶつかった可能性もあるとみて調べる。

 同社は管内の路線にある同様の電柱について、10日にかけて緊急点検を行うとしている。

 同社によると、約1500人の乗客は午後10時25分ごろから車外に降り、最寄りの踏切に歩いて向かった。前後で運転を停止していた電車の乗客を含め、6日午前2時45分ごろに避難が終わったという。

 この事故で、乗員1人と乗客3人が軽いけがを負ったとしている。後続の電車を含めて東海道線の5本の電車で停電が発生したほか、この事故で止まった電車計13本に乗っていた乗客9人が体調不良を訴えて病院に搬送されるなどしたが、いずれも軽症という。

 同社の鈴木均常務は6日に記者会見し、「お客様に多大なご迷惑をおかけしたことに、深くおわびを申し上げる」と陳謝した。(伊藤良渓)

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