「バービー問題」に潜む原爆ポップカルチャーと被爆国ナショナリズム
構成・細見卓司
米国で大ヒットしている映画「バービー」に関連して起きた問題をめぐり、日本で批判が巻き起こっている。ファンが作中のキャラクターと原爆やキノコ雲を合わせて加工した画像に米国の映画公式X(ツイッター)アカウントが好意的反応を示したことが発端だ。太平洋戦争期の広告やナショナリズムに詳しい編集者の早川タダノリさん(49)は問題となったファンアートに「核の肯定的な信仰」があると分析しつつ、その「炎上」をめぐる言説に潜むナショナリズムを指摘する。
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《7月21日に米国で同時公開されたのが、「バービー」と、原爆を開発した物理学者を描いた「オッペンハイマー」だった。両作のタイトルを組み合わせ、盛り上げる「Barbenheimer(バーベンハイマー)」という造語がSNS上で広がり、ファンが二つの作品のイメージを重ねて加工したファンアートが拡散した》
核実験が「観光」化された時代
「SNSで広がったファンア…