おろち号に乗ったよ! JR木次線沿線の子どもたち、小さな旅を満喫

野田佑介
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 トロッコ列車で出発進行――。島根と広島を結ぶJR木次線を走る観光列車「奥出雲おろち号」に6月下旬、沿線の保育施設に通う子どもたちが乗り、鉄道の旅を満喫した。さわやかな風が抜け、新緑が目の前に迫る。車内には笑い声や歓声が響き、思い出に残るひとときとなった。

 おろち号に乗ったのは、木次線が走る島根県雲南市奥出雲町広島県庄原市の子どもたち計約170人。普段から列車に手を振るなどして観光客らの「おもてなし」に一役買っている。

 おろち号は1998年から運行していたが、車両の老朽化などを理由に今年度で運行を終了することが決まっている。そこで、子どもたちへの感謝の思いを込めて、JR西日本山陰支社が“プレゼント”した。

 この日走ったのは、子どもたちのためだけに走らせた「特別列車」。ゆっくりと動き出し駅を離れると、見送りに訪れた人たちに「行ってきまーす」と、元気に笑顔で手を振って出発。「トロッコ列車、速いなー」「おうち見えるかな?」。口々にそう言いながら、沿線の風景を眺めていた。

 車内には、線路脇の草木や雨露が入ってくることも。そのたびに「きゃー」「うわー」と大きな歓声を上げて大興奮。車内に落ちた葉っぱを拾ってはうれしそうに見せ合った。途中、どこからか乗ってきた小さなアマガエルと一緒に、トロッコ列車の小さな旅を楽しんだ。

 木次線の名所の一つ、「3段式スイッチバック」も体験。出雲坂根駅と三井野原駅の間にあり、列車が前進と後進を繰り返して急勾配をジグザグに上っていく。進む方向が変わるたび、不思議な様子で顔を見合わせていた。

 国内最大規模の二重ループ橋「おろちループ」も車内から眺め、短い旅を終えた子どもたち。「風が気持ちよかった」「景色がきれいだった」。それぞれの顔には笑顔があふれ、大満足の一日となったようだ。(野田佑介)

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