自民党衆院議員の秋本真利・外務政務官(47)=比例南関東、当選4回=側が、風力発電会社「日本風力開発」(東京都千代田区)側から計3千万円近くを受け取ったとみられることが、関係者への取材で分かった。東京地検特捜部は、青森県内での洋上風力発電事業などをめぐる秋本氏への資金提供の疑いがあるとみて、収賄と贈賄容疑の適用を視野に捜査。同社の社長から既に任意で事情聴取し、資金の流れや趣旨を調べている。
青森での事業めぐり? 会社側は賄賂性を否定
日本風力開発側は取材に、「風力発電とは関係がない資金で、秋本氏にあてたものでもない」と賄賂性を否定した。秋本氏には複数回、取材を試みたが連絡が取れなかった。
洋上風力発電は、再生エネルギーの導入拡大の切り札とされる。政府は2019年4月施行の「再エネ海域利用法」で、公募で選んだ事業者に最長30年間、一般海域の占用を認めるなど、事業環境を整備した。40年までに、最大で原発45基分にあたる4500万キロワットを作る計画だ。
再エネ海域利用法の手続きでは、経済産業省と国土交通省が、地元の調整状況などを踏まえ、一定の海域を「準備区域」「有望区域」「促進区域」の順に格上げしていく。促進区域に指定後、事業者を公募する。現時点では、全国で8の促進区域を指定し、4区域で事業者の選定が済んだ。有望区域は10、準備区域は6ある。
青森県では「日本海(北側)」「日本海(南側)」が有望区域、「陸奥湾」が準備区域に入っている。
関係者によると、秋本氏側は「陸奥湾」などでの事業を目指す日本風力開発の側から、21年ごろから今年にかけて、複数回にわたって計3千万円近くを受け取ったとみられるという。
国会質問との関連性を捜査
秋本氏は国会で、再エネ海域…