「饋電線」何と読む? 乗り鉄の漢字学者・阿辻哲次さん念願の企画展
日比野容子
「乗り鉄」「撮り鉄」。鉄道ファンはいろいろあれど、「漢字鉄」も!? 京都・祇園の「漢検 漢字博物館・図書館(漢字ミュージアム)」が企画展「漢字鉄道の旅」を開催中だ。鉄道を通じて漢字の旅を楽しんでほしいと、企画と監修を担当した館長の漢字学者・阿辻哲次さん(72)は語る。(日比野容子)
阿辻哲次さんインタビュー
実は私、「乗り鉄」なんです。
きっかけは32歳ごろのこと。大阪の父が亡くなり、母が一人暮らしになった。
当時住んでいた静岡から2週間に1回帰省するようになったのですが、新幹線だと高くつく。そこで普通で静岡―浜松―大垣―米原などと乗り継いで行き来するようになりました。
静岡県に「新居(あらい)町」という駅がある。これは今話題の家康が築いた「新居関」があったところ。「入り鉄砲と出女」を厳しく取り締まった関所です。滋賀・東近江には「五個荘(ごかしょう)駅」(近江鉄道)。ここは近江商人のふるさと。近江商人の象徴「天秤(てんびん)棒」から「てんびんの里」と呼ばれている。
へぇ、そうなのか! 鉄道は未知の世界への扉。一気に乗り鉄になりました。
「私市(きさいち)」「枚方…