保険証の廃止延期を表明せず 首相が4日会見、代替手段を説明へ

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 マイナンバーカードを利用した「マイナ保険証」への移行に伴い、現行の健康保険証を来年秋に廃止することについて、岸田文雄首相は4日に記者会見を行い、対応策を説明する。複数の政府関係者によると、会見では廃止時期の延期は表明せず、国民の不安解消を図るため、保険証に代わる「資格確認書」の有効期限を見直す方針を示すという。

 保険証の廃止や廃止時期をめぐっては、マイナンバー制度をめぐるミスが相次いだことを受けて、高齢者や医療関係者を中心に不安が高まっている。

 河野太郎デジタル相や加藤勝信厚生労働相、与党幹部らが対応策について協議しているが、廃止を延期するには6月に成立したばかりのマイナンバー関連法を再び改正する必要があり、政府内では慎重論も根強い。このため、保険証の廃止後も「マイナ保険証」を持たない人に交付する「資格確認書」について1年を限度としてきた有効期限を見直すことなどで当面対応する。

 政府はマイナンバー制度のトラブルを受けて「総点検」を実施しており、今年秋にまとまる結果を踏まえて保険証の廃止延期について慎重に判断する考えだ。総点検の中間報告は8日にも公表する予定。岸田首相は7月27日、視察先の福岡市内で記者団に「現場の意見をうかがいながら対応を考えたい」と語り、廃止延期の可能性を示唆している。

 与党での意見は割れている。自民党萩生田光一政調会長は「無理に最終的なおしりの時間を切らなくても、皆さんに理解していただく機会をつくっていく必要がある」と発言。一方、公明党山口那津男代表は「今、廃止延期を決める理由がまったくわからない。国民の不安を払拭(ふっしょく)するための措置が完了できるのか、そこを政府として説明することがまず先だ」と主張する。

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    牧原出
    (東京大学先端科学技術研究センター教授)
    2023年8月2日22時21分 投稿
    【解説】

    一連のプロセスは、政治主導の下で政治家が判断ミスを重ね、これに行政が適切な助言をできないまま混乱を招いたことを示しています。デジタル化が進まない日本を「デジタル敗戦」と読んでいますが、政治主導と省庁間調整の失敗を招いたのはデジタル庁という組

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    千正康裕
    (株式会社千正組代表・元厚労省官僚)
    2023年8月3日16時54分 投稿
    【視点】

    どうすれば、支持率低下という傷を浅くできるかという観点から右往左往している様子が見て取れる。こういうことを続けていけば、国民から見れば頼りない政権という印象がぬぐえない。また、官僚からすればこうした現場を軽視した政治主導の中で右往左往する中

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