7月の気温、125年で最も高く 温暖化の影響で45年ぶり記録更新

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小宮山亮磨
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 今年の7月は日本の観測史上、最も平均気温が高かったことが、気象庁の観測データの分析から分かった。19世紀末に近代的な観測が始まって以降、最も暑かったのは1978年だったが、45年ぶりに記録を更新した。地球温暖化の影響で気温が上がりやすくなっていたことに加え、7月下旬にフィリピン周辺を台風が立て続けに通過し、太平洋高気圧の勢力が強まって気温が上がったとみられる。

 気象庁は全国各地で観測した1時間ごとの気温を平均し、その日の平均気温として公開している。朝日新聞はこのうち、気象庁が国内の平均気温の基準としている15の観測所について、気象庁の専門家の監修を受けながら、データがある1898年以降の7月1~31日の平均気温から、各年の7月の平均気温を出した。

 その結果、今年7月の平均気温は25・96度だった。7月上旬は24度前後でそこまで暑くなかったが、10日ごろから26度を超える日が相次ぐように。雨もほとんど降らず、25日以降は1日の平均気温が28度を上回る例のない暑さが続いた。

 これまでで最も暑かった1978年7月の平均気温は25・58度。この年は梅雨明けが異常に早く、日照りが続いて全国的に気温が上がったほか、水不足もあって稲作に被害が出た。だが、今年はそれを上回る記録になった。

 熱中症の救急搬送も急増している。総務省消防庁の速報値では、7月3~30日の4週間で、全国の搬送数は3万3千人に達した。

 この126年で、7月の平均…

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    加谷珪一
    (経済評論家)
    2023年8月2日10時2分 投稿
    【提案】

    世界各国の平均気温と豊かさ(1人あたりのGDP)について分析すると一定の相関が見られることは研究者の間ではよく知られています。私も(学術的に100%厳密ではありませんが)180カ国の平均気温とGDPのデータを使って分析を行ってみましたが、両

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