かがやき停車に「チャンス」も、はくたか急減「地元怒る」 沿線首長

 北陸新幹線敦賀延伸の開業日と「かがやき」などの停車本数が発表され、沿線の首長からは、おおむね評価する声が聞かれた。一方で、停車駅の多い「はくたか」のうち金沢以西で運行するのは全体の3分の1にとどまり、「少ない」との指摘が出ている。

 初めて県内に新幹線が走る福井県。杉本達治知事は、「県内延伸は悲願だった。開業の日は先人の皆さんの努力が結実する日。とてもうれしい」と歓迎した。新たな終着駅ができる同県敦賀市の米沢光治市長は、「開業機運とおもてなし力の向上に努め、市民と魅力ある街づくりで、開業効果を最大限生かしたい」とのコメントを出した。

 沿線自治体が気にしていたのは、福井と敦賀以外の駅にも、東京への所要時間が短いかがやきが停車するかどうかだった。その点、新ダイヤでは小松、加賀温泉、芦原温泉、越前たけふの4駅に2往復が停車することになった。

 同県あわら市の森之嗣市長は、かがやきの停車に、「観光やビジネスなど地方に様々なチャンスが生まれる」と期待感を示した。石川県小松市の宮橋勝栄市長も、「歴史的な日が特別な日となるよう準備を加速する。新たなビジネスチャンスを生み出す機会が期待される」と評価した。

 石川県の馳浩知事は、「スタートとしては100点満点。要望を聞いてもらった。石川県にとって(新幹線の)第二の開業」と受け止めた。

 一方、すでに県内開業している富山県では、新高岡へのかがやきの停車を求める声が根強い。金沢開業当初は停車していただけに、地元が要望活動をしていたが、今回のダイヤでは見送られた。

 ただ、新田八朗知事は8月30日、記者団に不満は示さなかった。運行終了する在来線特急の代わりとして富山以西限定で各駅停車する「つるぎ」の本数が確保されて新高岡の利便性が向上するとして、「かがやきは停車しないが、新高岡駅は配慮されたと考えている」と述べた。敦賀開業で大阪、名古屋がいずれも最短2時間35分になることも、「関西・中京方面と新たなビジネスや交流が生まれるチャンス」と歓迎した。

 沿線に不満を残したのがはくたかの本数だ。停車駅が多く、かがやきほどの速さはないが、乗り換え無しで東京と各駅を結ぶ。

 新ダイヤでは、金沢―東京間は15往復(1往復は長野間)なのに対して、敦賀まで運行する列車は3分の1までにとどまった。増便への要望活動に意欲を見せる首長もおり、今後の焦点になりそうだ。

 石川県の馳知事は、「金沢までは15本なのに、そのうち5本しか、敦賀まで行かない。小松や加賀温泉、福井の人は怒るのでは」とし、さらに「乗り換えの楽しさもありますよと私たちは言うが、旅行者からすればずっと、加賀温泉や福井まで、そのまま乗れる方がいい。観光客の見込める時は増便するなど配慮を」と注文をつけた…

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