いわき市へのふるさと納税が7倍に 「魚を食べて応援したい」続々と

福島第一原発の処理水問題

力丸祥子
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 東京電力福島第一原発処理水の海への放出に伴い、福島県いわき市へのふるさと納税が絶好調だ。放出日が決定した22日以降、通常の約7倍にのぼる寄付が全国からの応援メッセージとともに相次いでいるという。市の担当者は「予想していなかった反応で、驚いている。全国のみなさんからの応援がありがたい」と話した。

 市によると、22~30日、全国から計2444件(計4184万6千円)の寄付があったという。通常は1日40件程度だが、22日以降は1日あたり272件と6・8倍に急増。「常磐沖」「常磐もの」などと明記したタコや干物の詰め合わせの返礼品が選ばれているという。

 自由記述欄には「福島の魚を食べて応援したい」「漁業を少しでも応援したい」「大変な時期ですが、漁業者のみなさん、頑張ってください」などの応援メッセージが多く寄せられており、市の担当者は「市内には漁師、加工、流通など幅広い漁業関係者がいる。みんなの励みになっている」と話す。

石巻市では2倍に 「風評被害に負けないで」

 ふるさと納税は宮城県石巻市でも急増し、処理水放出翌日の25日から30日までは、直前の6日間の約2倍にあたる2053件(計2304万円)の寄付があった。選ばれた返礼品は、冷凍のホタテ貝柱や金華さばの加工品といった水産物がほとんどだった。

 ふるさと納税のサイトを通じ、「風評被害に負けないで」「(風評被害に対し)東北の海産物には打ち勝ってほしい」といった応援メッセージも寄せられた。市の担当者は「予想していなかったこと。皆さんに思いを寄せていただきありがたい」と話した。(力丸祥子、原篤司)

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    市原麻衣子
    (一橋大学大学院法学研究科教授)
    2023年8月31日19時51分 投稿
    【視点】

    今回中国が仕掛けてきているのは、典型的な影響工作です。国内で論争のある問題が浮上した際に、その論争を先鋭化させようとするものです。 しかし中国政府のやり方はあまりに威圧的で、むしろ日本国内を対中団結させる可能性が高いと思います。

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