ミャンマー人ら制作の映画が公開 監督「抵抗する人の勇気、見て」

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加藤あず佐
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 国軍がクーデターで実権を握ったミャンマーで、国軍に抵抗する人々の姿や、自由を奪われた苦悩を描いた映画「ミャンマー・ダイアリーズ」が、8月5日公開される。映画を制作したミャンマー人監督の1人がオンライン取材に応じ、「抵抗を示す人々の勇気ある姿を見て、ミャンマーで起きていることを知ってもらいたい」と語った。

 2021年2月のクーデターで国軍が実権を握ったミャンマーでは、国軍の支配に反対する市民への弾圧が続いている。インターネットが定期的に遮断され、国軍にとって不都合な内容のSNS投稿が処罰の対象になるなか、一部の市民は国軍に抑圧される人々の日常を撮影し、投稿してきた。

 ミャンマー人の10人の匿名の映画監督らがこうした映像を集め、市民の暮らしを描いた短編映画とつなぎ合わせて制作したのが「ミャンマー・ダイアリーズ」だ。

 現在はミャンマーではない国で活動する1人の監督の男性が、身の安全のために匿名で朝日新聞のオンライン取材に応じ、映画制作の経緯や思いを語った。

 監督の男性は長年、映画業界に関わってきたという。今回、映画制作を決めたのは、クーデターから1週間が経ったころ。信頼できる知人らでグループを結成し、撮影を始めた。クーデター直後は各地で抗議デモが起き、撮影もしやすかったが、1カ月ほど経つと、国軍がデモ参加者に発砲したり、記者らを拘束し始めたりするなど、弾圧が強まった。

撮影「慎重の上にも慎重」 6人が見張り番

 そのため、「撮影は慎重の上…

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    市原麻衣子
    (一橋大学大学院法学研究科教授)
    2023年7月31日8時6分 投稿
    【視点】

    日本人の北角裕樹さんや久保田徹さんが捕らえられ、起訴されたことからも容易に想像できるように、クーデター後のミャンマーで国軍への抵抗の様子を映すことには並大抵ではない苦労が伴う。そして何より、命の危険が伴う。そうした危険を冒してでもクーデター

    …続きを読む