両親はガーナ人、生まれ育った日本 明かせなかった「私は仮放免」
ガーナ国籍の両親から生まれたクアテン・ユニスさん(22)は今春、大学卒業後に在留資格を得るまで、長く仮放免者として滞在してきました。
日本で生まれ育ち、「帰るところは日本」。大学の卒論では「仮放免者の生活実態」をテーマに選びました。
私と妹、弟は日本で生まれ群馬県館林市で育ちました。両親はアフリカのガーナ国籍です。父は日本の大学に留学し、両親とも英語教師などをしましたが、私が小学生のころ在留資格を失いました。その後は家族5人が仮放免者として暮らしてきました。
父は出入国在留管理局の施設に10カ月間、収容されました。母は「がんばってお父さんを待とうね」と私たちを明るく励ましましたが、当時の写真を見ると、母はやせている。1人で私たち3人を育てるのがどんなに大変だったか、今は理解できます。食料が尽き、最後のお米を炊いた日に、知人が食料と灯油をくれたこともありました。
「ガーナに留学する気分で行ったら」
仮放免者は、働くことができ…
- 北野隆一
- 編集委員
- 専門・関心分野
- 北朝鮮拉致問題、人権・差別、ハンセン病、水俣病、皇室、現代史
- 【視点】
仮放免であることを隠しながら生きるのは、つらく苦しかったことでしょう。入管職員の心無い言葉に対しても憤りを感じます。そんな中にあって、大学を卒業し在留許可が得られたことは、現在でも仮放免や非正規での在留に不安を抱える子どもたちにとって、一縷
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