「よく使う駅…怖い」 りんくうタウン駅3人刺傷、37歳容疑者逮捕

田添聖史 森下友貴
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 23日午前10時半ごろ、大阪府泉佐野市りんくう往来北のりんくうタウン駅で、JR西日本の駅員から「車掌が顔を刺された」と119番通報があった。列車内で車掌と乗客2人の計3人が軽傷を負い、府警泉佐野署は京都市伏見区の職業不詳、清水和也容疑者(37)を乗客1人に対する殺人未遂の疑いで現行犯逮捕した。「ナイフで切りつけた」と供述しているという。

 逮捕容疑は23日午前10時25分ごろ、関西空港線を走行中の列車内で、23歳の乗客の男性をナイフで殺害しようとしたというもの。止めに入った24歳の車掌と79歳の乗客の男性も傷を負った。

 清水容疑者はりんくうタウン駅に着いたところで降車し、ホームに駆けつけた署員に取り押さえられた。署はナイフ3本を押収したという。

 JR西によると、列車は京橋発関空行きの4両編成で、乗客は約150人いた。りんくうタウンは南海電鉄と共同で使っている駅で、両社によると、付近の区間ではそれぞれ1時間ほど運転を見合わせたという。

目撃者「買い物客でにぎわう場所」

 駅のそばには大型ショッピングモールもある。そんな場所で、日曜日の日中に事件が起きた。

 買い物のため昼過ぎに電車で来た20代女性は、ホームのエレベーター近くの血痕を警察官が調べているのを目撃したといい、「よく使う駅で、まさかこんなことが起きるとは。巻き込まれていたかもと思うと怖い」。近くで小物の出店を開いていた市川奈美さん(47)は、事件直後に改札から構内をのぞき、手に包帯を巻いた駅員が警察官に何かを説明しているのを見た。「いつも外国人客や買い物客でにぎわう場所。亡くなった人がいないのが何よりだった」と話した。

 鉄道での事件をめぐっては、2021年に東京の小田急線京王線で起きた刺傷事件を受け、鉄道各社が車両に防犯カメラを設けるなどの対策を進めている。JR西は、京阪神のうち利用客の多い車両すべてに、27年度末までにカメラを設置する。6月末時点で対象路線の約33%に設置済み。新たに投入する車両は管内の全路線で設置するという。(田添聖史、森下友貴)

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