「この名が国宝でいいのか」 落語界4人目の人間国宝・五街道雲助

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井上秀樹
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 古典落語五街道雲助(くもすけ)さん(75)が、重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定される。2021年に柳家小三治さんが亡くなったあと、「空席」だった落語界から4人目となる人間国宝が誕生する。

 東京都墨田区生まれ。口べたを直そうと、大学で雄弁部か落語研究会に入ると決めた。先に通りかかった後者へ足を踏み入れ、小学生で寄席に通った落語愛が再燃した。大学2年で落第したのを機に入門した。

 前座時代、掃除をいい加減にしていると師匠の十代目金原亭馬生(きんげんていばしょう)に「バカバカしいことを一生懸命やるのが落語だよ」と諭された。浅草の居酒屋に通い、とことん飲まされた。「吐いて恥をかくと、人にやさしくなれるんだ」。実社会で修業を積んだ。

 ある落語会の打ち上げで、怪…

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    サンキュータツオ
    (漫才師・日本語学者)
    2023年7月22日12時26分 投稿
    【視点】

    雲助師匠、人間国宝おめでとうございます。 記事にもあるように、圓朝ものの演じ手が少なくなった噺や、「やんま久次」の代表されるようなピカレスクロマンともいえる噺を復活させ、見事お弟子たちさんに継承し、現在ではまたよく耳にすることができる噺に

    …続きを読む