市原佐都子が新作「弱法師」を9月に上演 「文楽」風の人形劇
増田愛子
劇作家・小説家・演出家の市原佐都子が新作「弱法師(よろぼし)」を、9月に兵庫や高知で上演する。能や浄瑠璃にもなった説話に題材を採り、俳優の語りと薩摩琵琶の演奏に合わせ、ラブドールや交通誘導人形を操る「文楽」風の人形劇。6~7月、ドイツで開かれた世界演劇祭で初演した。
能「弱法師」は、流浪するうちに盲目となった少年が、大阪・四天王寺で自分を追放した父と再会。夕日に極楽浄土を想(おも)う「日想観(じっそうかん)」を勧められ、心に映る景色に興じて舞う場面が見どころだ。
世界演劇祭のプログラムディレクター相馬千秋から、この作品を提案され、興味を持ったという。「病というと『失う』というイメージだったのですが、そうではなく、違う世界が開けるということに、すごく希望があると思いました」
この作品では、ラブドールの…