学校のプール減少に拍車? 最大手ヤマハ発動機が撤退、授業に影響も

有料記事

高嶋将之 高浜行人
[PR]

 学校向けプール製造の最大手「ヤマハ発動機」(本社・静岡県)が、プールの開発・製造から撤退すると発表した。民間利用が進むなど学校が自前の施設を必要としなくなり、需要が減りつつあることが背景にある。撤退で新設の動きがさらに鈍化する可能性もあり、専門家は子どもの水泳教育への影響を懸念する。

 ヤマハ発動機はプール事業の営業活動を来年3月末で終了する。設置工事も2027年度末までで終える予定だ。納入済みのプールの保守点検は継続する。

 撤退について担当者は「少子化で学校の統廃合も進んでいるうえ、水泳授業を民間の施設で行う学校も増えてきている。今後需要が伸びる要因がないと見込んだ」と話す。

 同社はボートの船体製造の実績をいかし、軽量かつ高強度のFRP(繊維強化プラスチック)製のプールを1974年に製品化した。2022年末の累計で学校やレジャー施設向けの「スクールプール」(20メートル以上)を6581基納入。同年の国内シェアはFRP製で94・3%、金属製なども含めた全体でも約50%を占めた。

 小中高校などのプールは近年、大きく減っている。

 スポーツ庁の「体育・スポー…

この記事は有料記事です。残り2447文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事を書いた人
高浜行人
東京社会部|教育班キャップ
専門・関心分野
学校教育、受験、教育行政
  • commentatorHeader
    大川千寿
    (神奈川大学法学部教授)
    2023年7月20日19時0分 投稿
    【視点】

    私の母校の小学校では、体育館の屋上にプールが設置されていました。私の数少ない得意なスポーツが水泳だったということもあり、授業や夏休みの特別授業を毎度楽しみにしていたものです。しかし、もはやそのような懐古の情だけで論じることはできない段階に来

    …続きを読む