人はなぜお土産渡す? 「ささいな贈り物」の目的、ゲーム理論で研究

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吉備彩日
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 食べ物をお裾分けしたり、友人同士でプレゼントをあげあったり、職場で旅行先のお土産を配ったり――。このような「ささいな贈与」をする目的を、ゲーム理論で突き止めようとしている研究者がいる。

 人助けなどの援助行動について研究してきた河村悠太・大阪公立大准教授(社会心理学)らの研究チームは、その中でもお裾分けやお土産などの小さな贈り物が頻繁になされることに着目した。経済学などの分野で、利害関係のある人同士の行動を分析・予測するのに使われる「ゲーム理論」を用いて実験しようと考えた。

 実験の形式は、ゲーム理論の中でも最も有名な「囚人のジレンマ」と似た構造。学生82人を集め、コンピューター上でペアをつくり、ターンごとに与えられるポイントを自分で受け取るか、相手に渡す「贈与」をするかを決めてもらった。

 1ターン(試行)に与えられるのは100ポイント。ただし、8分の1の確率で1千ポイント与えられる「ボーナス」のようなターンがあり、それを相手に渡すと3倍の3千ポイントを渡したことになるルールにした。つまり、お互いそのターンで渡しあえば、2人とも3千ポイント獲得できることになる。

 そして、「獲得ポイント数は最終的に換金される」と告知。実際に利益が出るようにした。

 4チームに分けて、1回約1…

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