オアシス、ツルハに反論 創業家支配「父が子を監督するのは不可能」

編集委員・堀篭俊材
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 香港の投資ファンドオアシス・マネジメント」のセス・フィッシャー最高投資責任者が18日、報道各社のインタビューに応じた。株主提案をしているドラッグストア大手のツルハホールディングス(本社・札幌市)に対し、「経営陣はガバナンス(企業統治)が何かを理解していない」と批判し、ほかの株主に独自の役員選出案などを支持するように訴えた。来月の株主総会に向けて両者の攻防が激しさを増している。

 オアシスはツルハに対する株主提案で「創業家支配による不適切なガバナンス(企業統治)体制だ」として、8月10日の定時株主総会で自らが推す社外取締役5人の選任や会長職の廃止などを求めている。

 これに対し、ツルハの鶴羽順社長は株主提案すべてに反対し、独自の社外取締役選任案を提出する方針。「どんな悪影響が出ているのか指摘に具体性がない」と反論している。

 フィッシャー氏は18日、会長である鶴羽樹氏と社長の順氏が親子関係にあることについて、「父親の会長が子供である社長を監督するのは不可能だ」と指摘し、ツルハにガバナンスを改善するように求めた。

 ツルハの株価水準について、フィッシャー氏は「競合他社に比べると、この5年間、ツルハの企業価値は損なわれてきた」と語り、「プライベートブランドや生鮮食料品に力を入れ、店舗面積あたりの収益性にフォーカスするべきだ」と訴えた。そのうえで「業界再編においても主導する役割を果たすべきだ」と語った。

 オアシスは現在、ツルハ株12・84%を保有する第2位の大株主。株主総会に向けて、それぞれの提案への賛成票を得ようと、経営陣とオアシスの動きが活発化しそうだ。とくにツルハ株約13%を持つ筆頭株主であるイオンがどう動くのかが、攻防の行方を左右しそうだ。

 フィッシャー氏は18日のインタビューで、オアシスがイオンの株式を持っていることを明らかにしたものの、ツルハをめぐりイオンにどんな働きかけをしているのかについては言及を避けた。株主総会での勝算について、フィッシャー氏は「勝てるように努力したい」と述べるにとどめた。(編集委員・堀篭俊材

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