葬儀・埋葬めぐる風習の違い 日本と来日外国人の摩擦をなくすには

有料記事

浅田朋範 仁村秀一
[PR]

 妻が死産した子を河川敷に「埋葬」したつもりだったベトナム人男性が6月、死体遺棄容疑で埼玉県警に逮捕(9日後に釈放)された事件。

 葬儀や埋葬をめぐる母国との風習やルールの違いが要因で、事件に発展した事例はほかにもある。最高裁は3月、死産した乳児を自宅に置いていた死体遺棄容疑で3年前に熊本県警に逮捕された、ベトナム国籍で元技能実習生の女性に対し「習俗上の埋葬と相いれない行為とは言えない」などとして、一、二審を覆す無罪判決を言い渡した。女性は日本で死産後にとるべき手続きを知らなかったとし、体調回復後にベトナムの一般的な弔い方で埋葬するつもりだったなどと主張していた。

 在日ベトナム人を支えるNPO法人「日越ともいき支援会」の吉水慈豊代表は、ベトナムの葬儀では火葬も増える一方、土葬して数年後に改めて納骨する風習を守る地域がある、と説明する。定住外国人に対する支援については「行政機関による多言語での生活の手引書の作成や、定時の相談窓口を設けるといったものだけでは、不十分だ」と指摘する。

専門家「双方が学ばないと」

 深刻な働き手不足を受けて政…

この記事は有料記事です。残り628文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません