降りた瞬間、磯のにおい 夏だけの臨時駅・田井ノ浜駅が4年ぶり開設
福家司
美しい砂浜で知られる田井ノ浜海水浴場(徳島県美波町)に隣接するJR牟岐線の夏だけの臨時駅、田井ノ浜駅が15日、4年ぶりに開設された。8月6日まで、1日に上下各3本の普通列車が臨時停車する。
午前10時54分、初便となる普通列車が到着すると、阿南市のフラダンスチーム「ハーラウ・ナニ・アイカネ・アナン」の6人と町のPRキャラクター、かめたろう・KAMEKOが出迎えた。小学5年の長男とホームに降り立った徳島市の山本浩朗さん(42)は「子どもが鉄道好きで、駅の開設を楽しみにしていたので、どうしても列車で来たかった。降りた瞬間、磯のにおいがしますね」と話していた。
田井ノ浜駅は1964年7月、同線の由岐―木岐間に開業。海水浴シーズンの7~8月に開設されてきたが、2020年以降、コロナ禍で海開きがなかったため、開設が見送られてきた。
今年は4年ぶりに海水浴場が再開したのに合わせて、町の要望を受けて駅も開設。町観光協会は初日の列車の利用客に限り、SUPの無料体験や福引を実施した。
ホームに隣接する監視塔の1階ではかつては乗車券の販売も行われていたが、近年は無人駅となり、時刻表や運賃表が張り出されている。