復活の一番列車笑顔で出迎え 南阿蘇鉄道全区間で運行再開 7年ぶり

城戸康秀 山本壮一郎
【動画】南阿蘇鉄道が7年3カ月ぶり全線再開 復活した絶景のアーチ橋を列車が走る=城戸康秀、山本壮一郎撮影

 熊本県の南阿蘇村立野と高森町を結ぶ南阿蘇鉄道が15日、全区間での運行再開を果たした。熊本地震の被災から7年余を経ての復活。沿線ではこの日を待ち続けてきた住民や観光関係者らが笑顔で列車を迎え、鉄道ファンや家族連れの人たちが早速乗り込んで車窓からの絶景を満喫した。

 この日未明、高森駅には一番列車に乗ろうと多くの人が集まっていた。

 17・7キロの沿線にある各駅にも多くの人が列車を歓迎しようと集まった。立野駅では住民や観光関係者らが、架け替えられた第一白川橋梁(きょうりょう)を渡ってホームに到着した列車を出迎えた。

 JR豊肥線との結節点となる立野駅は、3年前の豊肥線に続く被災鉄道の復旧再開。駅前の名物「ニコニコ饅頭」を守り続ける4代目高瀬大輔さんは満面の笑みでホームに降り立った乗客に饅頭を配っていた。

 被災後の住民アンケートでも望む声が多かった豊肥線への乗り入れもこの日から始まった。同じ列車がこの二つの路線を走るのは、国鉄高森線から第三セクター運営の南阿蘇鉄道になった1986年以来。JR肥後大津駅ホームに「MINAMIASO RAILWAY」と車体に書かれた列車が入ってくると、ホームにいた人たちがスマホを取り出し記念撮影していた。

 普通列車は1日に上下各11~12本ずつ運行。うち朝の各2本が豊肥線への乗り入れ。16日からはトロッコ列車の運行も始まり、夏休みには多くの観光客の利用が見込まれる。(城戸康秀、山本壮一郎)…

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