強制性交罪、高裁が逆転有罪に 検察側「一審は被害者心理に無理解」

小崎瑶太
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 富山市のホテルで2020年、女性に性的暴行を加えてけがを負わせたとして強制性交等致傷罪に問われた当時大学生の男性(26)の控訴審判決で、名古屋高裁金沢支部は13日、一審・富山地裁の無罪判決を破棄し、懲役7年を言い渡した。

 男性の起訴内容は、20年11月、富山市内のホテル自室で、ボランティア仲間を通じて知り合った20代の女性に性的暴行を加え、1週間のけがを負わせたというもの。

 一審で、検察側は女性の証言が信用できるとして、「同意がない性的行為を強いられた」と懲役7年を求刑。弁護側は性交を否定した上で、「性的行為についても両者で合意していた」などとして無罪を主張していた。

 昨年5月の一審判決は、「女性が大声で助けを求めるような行動に出なかったのは不自然」などと指摘。当日の状況の説明も変遷していると述べ、「女性の記憶の正確性に疑問があり、女性の証言通りの被害事実を認定するには合理的な疑いが残る」として、無罪としていた。

 この判決を不服として、検察側が控訴。検察側は控訴審で、「性犯罪被害者特有の心理に対する無理解がある」などとして無罪判決の破棄を求めていた。(小崎瑶太)

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