吹奏楽コンの先にある喜び 日本最古のプロ吹奏楽団が体現するもの
日本で最も長い歴史を持つ吹奏楽団で、今年で創立100周年のオオサカ・シオン・ウインド・オーケストラが、カール・オルフの大曲「カルミナ・ブラーナ」に挑む。小学生のころから吹奏楽に親しんできた指揮者・大植英次と、シオン楽団長でバストロンボーン奏者の石井徹哉が、作品の魅力と吹奏楽の楽しさを語り合った。
――大植さんとシオンの共演は初めてです。シオンにはどのような印象をお持ちですか?
大植 シオンは1923(大正12)年、大阪で最初にできた音楽団体で、一番大事な大黒柱だと思っています。オーケストラでは大阪フィルハーモニー交響楽団(大フィル、1947年に「関西交響楽団」の名前で創立)が古いけれど、それより前に大阪で音楽の芽を育てた。(元陸軍第4師団軍楽隊の有志が結成した経緯から)最初は軍隊的な要素がありましたけれども、音楽で大阪の意気を上げてきた功績がある。
そういう団体と「カルミナ・ブラーナ」という中世の物語でご一緒できるのは感無量ですし、それはもう楽しみにしています。
石井 大植さんにシオンを振っていただくのは長年の夢でした。(大植の発案で2006年に始まった秋の音楽祭)「大阪クラシック」で、大植さんがシオンのことを「このバンドの(固有の)音があるんですよ!」と紹介してくださったのが心に残っています。
僕はシオンに入って19年ですが、プレーヤー一人一人の、シオンサウンドを作ることに対するプライドはすごく高いです。
大植 ブラスアンサンブルの世界の頂点に立つ団体で、一人一人が誇りを持ち、仲間意識が非常にタイトなグループ。(14年に大阪市の直営を離れて)民営化されたことでご苦労があったと思うけれども、シオンを大事にしよう、続かせようという意欲を感じる。大阪だけでなく日本の宝物だと思っています。
愛あり恋あり
――「カルミナ・ブラーナ」は大植さんの十八番とも言えるほど、数多く演奏を重ねてこられた曲目です。
大植 元になった中世の詩歌集は、19世紀初めに南ドイツのベネディクトボイエルン修道院で発見され、出版されました。カール・オルフがそれを小さな書店で見つけ、壮大なストーリーに魅せられて曲を作った。愛あり恋あり、様々なドラマに満ちた作品です。
(合唱が冒頭で歌う)「オー…
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