「公園をもっと楽しもう」 生駒・鹿ノ台の住民がアイデア

伊藤誠
[PR]

 奈良県生駒市のニュータウン「鹿ノ台」の真ん中に、広大な鹿ノ台中央公園(約2万8千平方メートル)がある。多くの樹木が植わり、住民たちが思い思いにひとときを過ごすオアシスだ。そんな公園の魅力を自分たちのアイデアと行動で磨き、転入者も増やそうという取り組みが始まった。5月から進められているワークショップを取材した。

 中心になっているのは、鹿ノ台自治連合会内の一グループ「鹿ノ台未来まちづくり会議」(未来会議)の子育て分科会(7人)。鹿ノ台は約45年前にでき、今は約2500世帯が住む。だが、高齢化が進み、空き家も目立ってきた。若い世代が次々と移り住んではくるが、事態は深刻化しつつあるという。

 未来会議副会長の伊藤智子さん(56)は、「スーパーも塾もある便利なまちだが、『子育て世代が楽しめるまち』にしたい。それが転入促進につながれば」と話す。「鹿ノ台中央公園をもっと楽しむためのワークショップ(WS)」が企画され、今年初めに意見を募集。地元小中学生を含め657件の回答があった。

 大人からは「遊具の設置」「ベンチを増やす」など、子どもたちも「遊具」の希望が多く、「スポーツ設備」「イベント」を求める意見も多かった。これを踏まえたうえで参加者を募り、5月20日に第1回WSを開催。4グループに分かれて具体的な意見を出し合った。

 第2回の6月17日。鹿ノ台ふれあいホールに約30人が集まった。子育て世代の住民が目立ち、市みどり公園課の職員2人もオブザーバーとして参加。第1回と同じグループそれぞれでアイデアを絞り込んだ。途中、鹿ノ台中央公園へみんなで出かけ、地形や景観などを確認した。

 グループ発表では、「お花見、納涼祭、雪祭りなど季節ごとにイベントを」「防災キャンプ」「フリーマーケット」「夏場だけの臨時プール」「星空観察会」「水分補給のための自動販売機」「Wi―Fi設置」などのアイデアが配置図面とともに提案された。

 中には、「ほかの公園にはないものを」「近隣の公園を含めた公園パンフレットを作ってはどうか」「子育て世代向けに、イベント案内などのサイトを立ち上げては」など、ほかの地域からも人を呼び込むことを意識した意見も多かった。

 最終回となる今月22日の第3回は、自分たちで実現が可能なアイデアの構想案やスケジュールなどを練ることになりそうだ。

 もう1人の副会長の黒部実さん(76)は、「世代間でニーズも考え方も違うので、コミュニケーションやプロセスを大切にしながら進めたい」と期待を込めた。(伊藤誠)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【締め切り迫る】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら