バーンスタインと2人の日本人 吉原真里さんが見いだした愛の物語

有料記事

河合真美江

 「親愛なるレニー レナード・バーンスタインと戦後日本の物語」(アルテスパブリッシング)が第71回日本エッセイスト・クラブ賞と第11回河合隼雄物語賞に輝いた。注目を集める著者の吉原真里さんはホノルルに長く暮らすハワイ大学教授。アメリカ文化やジェンダー研究に携わり、著作を通して日米の文化の断面を伝えている。

 この夏、帰国して講演やイベントに走り回り、読者の熱い反応に驚いている。

 「バーンスタインのファンだった、コンサートに行ったというだけでなく、合唱団にいたとかクラシック音楽が好きとか。本を読んでご自身の人生をたどるような思いをなさっている。読む人にとっての物語でもあるんだなと感じます」。吉原さんはしみじみ話す。

 世界的指揮者バーンスタインと2人の日本人の人生が交わっていく様を、手紙を通して描き出したノンフィクション。2人の日本人とは、戦後間もなくファンレターを送り、ずっと理解者だった天野和子さんと、マエストロと激しい恋に落ちてラブレターを送り続け、後にコンサートのスタッフを務めた橋本邦彦さんだ。手紙の1通1通がバーンスタインへのほとばしる思いに満ち、愛情の軌跡をたどることができる。これを吉原さんが「見つけてしまった」ことが物語の始まりだった。

 10年前の夏、吉原さんは冷…

この記事は有料記事です。残り1502文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【10/25まで】すべての有料記事が読み放題!秋トクキャンペーン実施中!詳しくはこちら