涼を求めて 国立工芸館で水がテーマの企画展
波絵理子
【石川】荒々しい波や滝、水辺の生き物、あるいは吸い込まれそうな深い青。水をテーマにした工芸・デザイン作品を集めた企画展「水のいろ、水のかたち」が金沢市の国立工芸館で開かれている。水の美を表現した抽象的な作品から、舟や貝をモチーフにした作品まで、全107点(うち国の重要文化財1点)が並ぶ。
象徴的な作品が、陶芸家深見陶治(すえはる)の「初めての航海」(1975年、同館蔵)。緑がかった淡い青白磁で波打つ海面をかたどった彫刻的陶芸だ。約60センチ四方の作品にもかかわらず、端の見事なうねりの表現によって、海がどこまでも続いているかのような感覚をもたらす。
企画を担当した岩井美恵子工芸課長は「夏に合った展覧会をと考えた。工芸にアクセスするには、水は身近な切り口」と話す。
夏休みに合わせ、子ども向けの冊子「みず」も先着1千人限定で配布している。自由研究に活用してもらいたいという。
9月24日まで、祝日を除く月曜と7月18日、9月19日は休館。一般300円、大学生150円、高校生以下と65歳以上は無料。問い合わせはハローダイヤル(050・5541・8600)。
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国立工芸館では、イベント運営を手伝うボランティアメンバーを募集している。選考・研修を経て活動期間は10月から1年間。応募は8月21日まで。問い合わせは同館教育普及室(kogei-edu2023@momat.go.jp)。