17年前の京急運転士、でっかい東京で探した 不合格がくれた出会い

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江戸川夏樹
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 運転士の試験に落ちた。

 次は1年後。再挑戦するか。諦めるか。

 車掌の仕事も十分面白い。でも……。

 5年前、京浜急行電鉄(京急)の加藤航さん(29)は迷っていた。小さい頃から電車好き。特に神奈川県横須賀市の実家のそばを走る京急がお気に入りだった。

 運転士の後ろが空いていれば、必ず窓から見つめた。ハンドルさばき、ブレーキのかけ方。人によって違う「職人芸は見ていて飽きなかった」。

 高校卒業後に京急に入社。駅の係員を4年務めた。通常より時間はかかったけれど、車掌の試験に合格。次は運転士の国家試験へ。そんな矢先の不合格。「夢だったけれど1年は長い。どうしようか」

 無性に会いたくなった人がいた。

持ち歩いた写真 京急のホームで「あの人かも?」

   ◇…

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