国内最大の名古屋港にサイバー攻撃か、脅迫文も コンテナ搬出入停止

[PR]

 貨物の総取扱量が国内最大の名古屋港愛知県飛島村など)で4日、コンテナの搬出入を管理するシステムがランサムウェア(身代金ウイルス)に感染し、システム障害が発生した。サイバー攻撃とみられる。感染が確認された4日以降、コンテナの搬出入ができなくなっている。

 システムを管理する名古屋港の港湾運送業者でつくる「名古屋港運協会」や県警によると、4日朝、出勤した職員が事務所のパソコンを立ち上げた際、システム障害に気づいた。「身代金を払えばシステムを復旧させる」という趣旨の英語の脅迫文もプリンターから出力され、冒頭にはサイバー犯罪集団「ロックビット」の名前も記載されていたという。

 5日もコンテナをトレーラーに載せて港外に搬出できない状態が続き、飛島村の港周辺では待機する車で渋滞も生じた。

 車列に並んでいた運転手男性(72)は「昨日と今日の作業が明日以降にずれ込んで、今週はもうだめだな」と肩を落とした。

 名古屋港は、自動車関連を中心とした年間の貨物の総取扱量が、国内最大の2億トン近い。

 トヨタ自動車によると、5日午後までに完成車の物流に影響は出ていないが、名古屋港で部品の積み込みや積み下ろしの作業ができないといい、「在庫の状況を精査し、注視していく」としている。

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません