「復興と廃炉の両立」を模索する円卓会議 福島大元学長らが呼びかけ

力丸祥子
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 東京電力福島第一原発をめぐり、国や東電が掲げる「復興と廃炉の両立」に市民の声を反映させる方法を模索しようと、福島大元学長ら8人が呼びかけ「福島円卓会議」を立ち上げる。事務局長を担う林薫平・福島大食農学類准教授らが4日、県庁で記者会見を開き、明らかにした。11日に初会合を予定し、参加を呼びかけている。

 円卓会議は、これまで国や東電の決定に従ってきた県民が「復興と廃炉の両立」に向け、意思決定に参加することをめざす。県内の農林水産業者などから報告を受け、処理水の海洋放出や原発敷地内の放射性廃棄物の今後などについて議論する。秋までに複数回予定しているという。

 林氏は、復興途上の漁業者らが処理水の海洋放出に反対していることなどを挙げ、「県民には廃炉も復興も必要。処理水問題をはじめ、両者がぶつかり合う現状をつらい気持ちで見ている人も多い。有効な解決策を提示していく場にしたい」と話した。

 初会合は11日午後2~4時、福島市の杉妻会館。参加は無料。連絡は林氏(e129@ipc.fukushima-u.ac.jpメールする)へ。(力丸祥子)

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