マイナ証明書トラブル、富士通だけなぜ続く? 識者が投げかける疑問

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田中奏子 奈良部健
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 マイナンバーカードの利点の一つとされるコンビニなどでの証明書交付サービスを巡り、別人のものが発行されるトラブルが富士通のシステムで先月、再び見つかった。このサービスを手がける会社は他にも複数あるなか、なぜ富士通だけ問題が相次ぐのか。識者からは「技術的な稚拙さ」を指摘する声が出ている。

 富士通をめぐっては今年3月以降、子会社の「富士通Japan」が運用するシステムで別人の証明書が発行される事例が相次いだ。富士通は「申請が集中してシステムに負荷がかかったことが原因」とし、5月からシステムを使う全123自治体のサービスを停止して点検を始めた。

 時田隆仁社長は同24日の記者会見で、トラブルの原因がすでに判明しているとして、「今後も次から次に(誤発行が)起きるような考えは持っていない」と述べていた。しかし、6月17日に点検作業が終わった直後の同28日、新たな誤発行が福岡県宗像市で見つかった。

 富士通によると、このケース…

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    加谷珪一
    (経済評論家)
    2023年7月3日21時42分 投稿
    【視点】

    政府の情報システム案件は、富士通など限られた大手企業が受注する比率が高いことで知られています。こうした大手企業は、自身ですべてのシステムを開発するわけではなく、下請け、孫請けなどに外注するケースも少なくありません。 以前、政府の情報システ

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