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経済季評 一橋大学准教授・竹内幹さん

 日経平均株価が、バブル期以来33年ぶりの高値をつけたという。大企業の業績は回復したかもしれない。しかし、インフレで物価は上がり続けており、「失われた30年」を抜け出したといえる実感には欠ける。景気は好調でも、豊かさを実感できない状況は、1970年の朝日新聞の連載「くたばれGNP」を思い起こさせる。

たけうち・かん 1974年生まれ。一橋大学准教授。米ミシガン大博士。研究テーマは実験経済学、行動経済学

 日本は68年にGNP(国民総生産)で西ドイツを上回り、西側世界で第2の経済大国となった。だが、工場による大気や河川の汚染は深刻で、日本各地で公害病を引き起こしていた。勤労者の大半も週休1日で働きづめだった。経済成長一辺倒の国策を批判したのが、当時流行(はや)った「くたばれGNP」という言葉だ。

 GNPにせよ、いま使われて…

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